OS(オペレーティングシステム)は、パソコンやスマホといった身近にある機器を制御する上で非常に重要な役割を果たしています。ただ、機会は多いものの、OSが何なのかあいまいな人は多いのではないでしょうか。
また、OSごとでどんな違いがあるのか、記事になる人もいるはず。
そこで、今回はOSとは何なのか、その特徴を役割も交えて紹介します。スマホ・PC別でのOSの種類やどれを選ぶのがおすすめなのかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
OS(オペレーティングシステム)とは
OS(オペレーティングシステム)とは、コンピュータ全体を制御してユーザーが使いやすくするためのシステムです。もう少し具体的にいえば、OSは「ソフトウェアとハードウェアを仲介する」という重要な役割を担っています。
たとえばパソコンでドキュメントを作成する場合、メモ帳などの「ソフトウェア」を使いますよね。しかしドキュメントを保存するためには、ハードディスクなどの「ハードウェア」に記録しなければなりません。
そこで欠かせないのがOSです。作成したドキュメントはOSによってハードディスクに保存され、閲覧時にもOSがそれを読み込みます。
このように、OSはコンピュータの動作に欠かせない基本的な機能を提供してくれています。具体例としては、
- キーボードから文字を入力すると、入力した文字が画面に表示される
- マウス・タッチパッドなどを操作すると、操作した位置がわかる
- イヤフォンを挿すと、イヤフォンから音が聞こえる
などが挙げられます。普段当たり前に使っているコンピュータの各種機能は、OSがあってのものです。
OSが制御するのは「コンピュータ」だと表現しましたが、コンピュータとは「情報処理を高速かつ大量に行える機械」を指します。よってパソコンに限らず、スマートフォンを制御している「iOS」や「Android」も、OSの一種です。
OSが果たす4つの機能
ここからは、OSが主に果たす機能を、4つにまとめて解説します。
入出力の制御
入出力の制御とは、キーボードやマウスといった機器からの入力を受け取ったり、コンピュータでの処理結果を画面上に出力したりする機能のことです。
コンピュータへの入力の具体例は、「どのキーを押したか」「マウスをどのくらい動かしたか」「マウスの左ボタンを押したか」などです。OSがこれらを管理しソフトウェアに伝えることで、ソフトウェアは入力に応じた処理を行うことができます。
またコンピュータからの出力の具体例は、画面への表示や音声などです。ソフトウェアはこれらの出力制御をOSに任せるので、「どうやって出力するか」を考える必要がなく、「何を出力するか」に集中できます。
ソフトウェアの起動・終了・切り替え
最近のOSでは、ソフトウェアを同時に複数起動できることが一般的になりました。ソフトウェアの起動や終了、切り替えは、OSが管理しています。
OSはソフトウェアの起動・終了・切り替えが起きたことを「メッセージ」で通知し、ソフトウェアはそれらの通知に応じてさまざまな処理を行います。
ファイルの管理
ファイル管理とは、ファイルへの命名・ファイルの読み取り・ファイルへの書き込みといった操作のことです。これらの機能もOSが制御しています。
メモ帳などのテキストエディタやWord・Excelなど、ファイルの読み取りやファイルへの書き込みが必要なソフトウェアは数多く存在します。これらのソフトウェアは直接ファイルを操作しているわけではなく、OSにファイル操作を依頼し、ファイル管理してもらうことで機能を実現しています。
他コンピュータとのネットワーク通信
他のコンピュータとのネットワーク通信にも、OSの機能が使われています。具体的には、通信プロトコルの管理やデータの送受信などです。
プロトコルとは、データをやり取りするための決めごとのことです。ネットワーク通信で最も一般的なプロトコルは「TCP/IP」で、OSにTCP/IPが実装されているため、ネットワークを介した通信ができるという仕組みになっています。
パソコン向けOSの主な種類
ここからは、パソコン向けOSの主な種類を、4つにまとめて紹介します。
Windows
「Windows」はMicrosoft社によって開発されたOSです。パソコン向けOSの中で長年トップシェアを維持しています。マウスやキーボードを使ったGUI関連の機能が豊富で、誰にでも操作しやすい点が特徴です。
ユーザー数が多い分、多くのソフトウェアがWindowsに対応しています。使用できるソフトウェアの多さは大きなメリットです。
またインターネット上での情報量も多く、Windowsの使い方でわからないことがあった際、検索すればさまざまな情報を得られます。身近な人にもWindowsのことであれば相談しやすいでしょう。
Mac OS
「Mac OS」はApple社が開発したOSで、パソコン向けOSの中でWindowsに次いで人気の高いOSです。表計算ツールなどの便利なアプリが最初から入っているため、OSさえ導入してしまえば色々な作業ができます。
Apple社製品との相性が良く、オフラインで別Apple端末とのデータ転送も可能です。またMac OSがあれば、iPhoneアプリも開発できます。
ただしライセンスの都合上、Mac OSは基本的にApple社製品でしか使えません。Windows対応PCは安価なものも多いですが、Apple社製品は比較的高価なので、導入コストが高くなりがちな点がデメリットです。
Linux
「Linux」は、フィンランド系アメリカ人のリーナス・トーバルズ氏が開発したパソコン向けOSです。オープンソース(ソースが公開されている)なので無料でインストールできる点が大きな特徴です。
グラフィック関連の処理負荷が少なく、動作が軽いというメリットがあります。そのため、動作の安定性が求められるWebサーバとして使われる場合が多いです。
しかし裏を返すと、WindowsやMacのようにマウスを使った操作がしづらい点がデメリットです。Linuxを使いこなすには、CUI(コマンド入力による操作)に慣れる必要があります。
Chrome OS
「Chrome OS」は、Google社によって開発されたパソコン向けOSです。前述のLinuxをベースに、さらにGUI操作を強化している点が特徴で、マウスを使った操作も簡単にできます。
また、Chrome OSの場合はWebブラウザの「Google Chrome」上でさまざまな機能を使えます。そのためWindowsなどのOSと違い、多くのアプリをインストールする必要がないのもメリットです。
その一方でWebに依存することになり、オフラインでできる作業が限られるというデメリットがあります。とはいえChrome OSは「Chromebook」という比較的安価なパソコンを購入するだけで使えるため、試してみる価値はあるでしょう。
スマホ向けOSの主な種類
ここからは、スマホ向けOSの主な種類を、2つにまとめて紹介します。
Android
「Android」はGoogle社が開発した、携帯端末向けのOSです。スマホ向けOSの中でトップシェアを誇っており、比較的安価なわりに幅広い機能を使えるため高い人気があります。
世界中に数多くのAndroidユーザーがいるため、それに合わせて多くのスマホアプリもAndroidに対応しています。選べるアプリの選択肢が多い点はAndroidの大きなメリットです。
その反面、Android用アプリを配信するGoogle Playでは、後述のiOSほどアプリを厳しく監視していません。出回っているアプリが多いことも相まって、有害なアプリに遭遇することもあり得るので注意が必要です。
iOS
「iOS」はApple社が開発した携帯端末向けOSで、Androidに次ぐシェアを持っています。主にスマートフォンの「iPhone」に搭載されています。
iOSは操作方法がシンプルで使いやすいのが魅力のひとつです。国内シェアはAndroidに引けを取らないほど高いので、iOSの情報を探すのに困ることはないでしょう。
また、iOS用アプリを配信するApp Storeではかなり厳しい審査が行われているので、アプリの安全性が高いこともメリットです。ただし、iOSを搭載した製品は比較的高価なものが多いので、コスト面ではAndroidに軍配が上がります。
OSの理解を深めるポイント3つ
ここからは、OSを理解するうえで重要なポイントを、3つにまとめて解説します。
OSとアプリの役割分担を理解する
OSはコンピューターの土台を支えている基盤です。OSを知ることはコンピューターの仕組みを知ることであり、プログラミングを知ることにもつながります。
OSについて理解することで、ソフトウェアでできることがどこまでで、どこからがOSの役割なのかを区別できるようになります。これにより、必要以上に悩まずスムーズに開発できるようになるでしょう。
開発に必要なキーワードを理解する
ドキュメントの管理に使われる「ファイル」や「フォルダ」という言葉は、パソコンを使ったことがある方なら一度は耳にしますよね。これらのキーワードは、プログラミングをする際には当然知っていなければいけません。
しかしボタンをクリックしたときに、OSからプログラムに「メッセージ」が送信されることは知らない方も多いのではないでしょうか。このようなキーワードを数多く知っておくことで、プログラミングの際に困ることが減ります。
複数のOSの使い方を理解する
OSによってできることや長所/短所が異なるので、複数のOSを理解しておくことは重要です。たとえば、iOSアプリを作るためには「Mac OS」でなければ開発できません。
さまざまなOSについて理解し習得することで、より幅広い開発を行えるようになるのは大きなメリットです。しかし、複数のOSを使うためにパソコンを複数台用意するのでは、かなりコストがかかってしまいますよね。
そこで、複数のOSを使う際には「VirtualBox」の使用がおすすめです。「VirtualBox」はパソコン内に仮想環境を構築して、他のOSを仮想的に使えるソフトです。
「VirtualBox」を導入することにより、たとえばMac環境でWindowsやLinuxなど複数のOSを切り替えて使用できます。
自分にあうOSの選び方
各OSの特徴をおさえたところで、ここからはパソコン・スマホ別で自分にあうOSの選び方を解説します。
パソコン向けOSを選ぶ場合
パソコン向けOSは、何か特別な理由がない限りはWindowsがおすすめです。なぜならパソコン向けOSではWindowsのシェアがもっとも高いため、情報を集めやすく、アプリが豊富というメリットがあるからです。
一方で、Apple社が販売しているPCを利用したい場合はほぼMac OS一択となります。Apple社のPCは動画編集やデザインなどの処理に強みがあるため、こういった作業をメインに行う人はMac OSを選択するとよいでしょう。
スマホ向けOSを選ぶ場合
あまりスマートフォンに慣れていない人の場合、iOSがおすすめです。操作が直感的でわかりやすいので、多くの人はあまり苦労せず使いこなせるでしょう。
また、iOSはiPadやAirPodsといった他のApple社製品と連携しやすいのも特徴です。Apple社製品が好きな人は、iOSを選ぶことでより便利にスマホを使えるでしょう。
ただし、iOSが入っているiPhoneはやや高価なのがデメリットです。なるべく安価にスマホを手に入れたい人や、スマホに詳しく、スマホを自分好みにカスタマイズしたい人は、Androidがおすすめです。
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